第81期名人戦A級順位戦2回戦、藤井聡太五冠は菅井八段に敗れ今期1勝1敗になりました。
早くも名人最年少記録に黄信号です。
いきなりピンチになりました。ここから巻き返して最終的に9勝1敗で挑戦者になることは、藤井五冠の実力をもってすれば、忖度なしに、可能だとは思いますが、ピンチになったのは間違いないです。
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なぜピンチなのか?
A級とは、原則として10人の棋士による総当たり戦で最高成績者のみが名人戦七番勝負に挑戦できるのです。最終的に最高成績者が複数人いる場合はプレーオフを行いますが、ここ数年はプレーオフはないです。なぜならば、圧倒的にこのA級に強い人がいるからです。斎藤慎太郎八段です。だから、藤井聡太五冠がピンチといえるのです。
斎藤慎太郎八段の存在
斎藤慎太郎八段はタイトル王座一期のイケメン棋士の実力者です。ここ最近2年連続で名人戦の挑戦者になっており、順位戦では、いずれも1敗しかしていないんです。つまり、例年通りでいけば、2敗では挑戦者になれない、だからピンチなんです。藤井聡太五冠と斎藤慎太郎八段の通算成績は4勝3敗です。直近の第47期棋王戦では藤井聡太五冠が負けています。
名人までの最短記録は?
調べてみると、最年少名人の谷川十七世永世名人はC2組を2期かかっておりで名人獲得まで6年です。これが最短記録です。羽生善治九段はC級2組、B級2組をそれぞれを2期かかっており、羽生善治九段ですら名人獲得まで8期かかっています。ただし2人ともA級1期目で名人挑戦権獲得し、そのまま名人になりました。
あと、中原誠十六世永世人も最短の6年です。
藤井聡太五冠はC1を二期かかっており、A級まで6年目です。これは、最年少名人の谷川十七世永世名人と中原誠十六世永世名人と同じスピードです。
ただし最短ルートなら5期、5年で通過できますが、いまだに一人もいません。
最年少名人記録とは?
現在の最年少名人記録は谷川浩司十七世名人の21歳2ヶ月です。 40年近く破られていない記録。最年少名人になった際に言った「1年間、名人位を預からせていただきます。」は名言です。
藤井聡太五冠は2002年7月19日生まれの現在20歳です。つまり、藤井聡太がこの最年少名人の記録を更新するにはA級で最高成績者となって挑戦者となり、渡辺明名人との七番勝負で勝たなけれなならないのです。今回が最初で最後のチャンスとなるわけです。
歴代A級昇級記録は?
加藤一二三九段 18歳1か月
藤井聡太五冠 19歳7ヶ月
谷川浩司九段 19歳11ヶ月
この三人はいずれも中学生でプロになった天才棋士です。
B級1組 鬼の棲家
A級にひけをとらない実力者が多く在籍するクラス 当時竜王であった渡辺明名人ですらB級1組を突破するのに、三期かかりました。そのとき、「今のB級1組を突破するのはそう簡単なここではないくらい強い棋士がゴロゴロいる。」ようなことを聞いたことがあります。藤井聡太五冠はこのB級1組を1期で通過しています。
名人になるまでの道のりは?
名人になるためには 順位戦ていう予選リーグを勝ち抜かなければならない。順位戦は上からA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の全5クラス。つまり最低5期、5年はかかります。
結論
ピンチにはかわりないですが、可能性は十分です。巻き返しは可能です。A級4回戦で斎藤慎太郎八段との対局がありますので、ここが勝負ところではないでしょうか?
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